スポンサーリンク

ル・コルビュジエ設計。上野の国立西洋美術館が世界文化遺産へ。その前に見学

ル・コルビュジエの建設遺産

国立西洋美術館 ル・コルビュジエ


すでにメディアで話題になっています。

近代建築の巨匠といわれ、フランスで活躍したル・コルビュジエ。

彼が設計した上野の国立西洋美術館など、7カ国17施設が「ル・コルビュジエ建設作品」として世界文化遺産に登録される見通しです。

これはユネスコの諮問機関であるイコモスが登録勧告をしたことにあります。

 

現在、トルコのイスタンブールで開かれているユネスコ世界遺産委員会(7月10日〜20日)で決定される可能性が極めて高くなりました。

(7月16日に起きたトルコのクーデターで現在審議中止。登録延期の可能性あり)

 

登録作品に関しては、世界7カ国にあるル・コルビュジエの建設作品が対象となります。フランスが代表となり、日本を含め他の国々が推薦した形となりました。

 

以下のページで17の建築物がスライドで見られます。

www.huffingtonpost.jp

今回の国立西洋美術館が世界文化遺産となれば、現在日本では文化遺産が15件。自然遺産が4件ですので、1つ増えて合計20件となります。

 

ル・コルビュジエとは

ル・コルビュジエ

出典:Le Corbusier - Wikiwand

 

1887年、スイスで時計の文字盤職人の父と、ピアノ教師の母の元に生まれる。

美術学校在学中に「ファレ邸」を協同で設計。

ル・コルビュジエ ファレ邸

「ファレ邸」出典:Le Corbusier, Cemal Emden · Villa Fallet · Divisare

スイスで活動したのち、パリに活動拠点を移す。

35歳で従兄弟のピエールと建築事務所を設立。

「近代建築の五原則」を提唱。「サヴォワ邸」はそれを表した代表作品。

ル・コルビュジエ サヴォワ邸

「サヴォワ邸」出典:Villa Savoye à Poissy

 

第2次世界大戦後になると、独自の尺度「モデュロール」を発表し、「ロンシャンの礼拝堂」や「ラ・トゥーレット修道院」などの宗教建築物を設計。

日本にある「国立西洋美術館」は70歳のときに設計。

1965年に海水浴中に心臓発作で死去。78歳。

 

「近代建築の五原則」とは

「近代建築の五原則」とはコルビュジエが提唱した近代建築の原則とされています。

 

1:ピロティ

1階部分を柱で持ち上げ、開放的で風通しの良い空間を作る。

 

2:屋上庭園

屋上に植物を植え庭園を造ることによって自然を楽しむ。

 

3:自由な平面

壁によって支えられていたこれまでの建物から壁と取り払うことによって自由な形に設計できる。

 

4:横長の窓

自然の光を取り入れることができるようになる。


5:自由なファサード

ファサード=正面、立面。壁をなくすことにより、建物の正面を自由なデザインにできる。

 

これらは先にあげた「サヴォワ邸」の写真を見てもらえればわかる部分もあると思います。

また日本の国立西洋美術館もこれらの要素が含まれております。

 

モデュロールとは

ル・コルビュジエ モデュロール

出典:モデュロール

 

モデュロールとは、人の寸法と黄金比から作り出した建造物の寸法でコルビュジエが考案したものです。

基本は人が立って片手を上げた高さから黄金比で割っていくものとしています。

「ロンシャンの礼拝堂」や「ラ・トゥーレット修道院」などの建築物がそうです。

 

 

国立西洋美術館内部

では、コルビュジエが設計した国立西洋美術館はどうなのかというと、もちろん「近代建築の五原則」は感じられます。

「サヴォワ邸」に見られるような特徴的な縦長の窓はありませんが、柱による底上げのピロティは正面入口を見ただけでわかります。

館内にもいたるところに柱があります。

 国立西洋美術館 ル・コルビュジエ

これは入口から入ってすぐのところにあるものですが、ずどんと柱があります。そして上にはガラスの窓があり、そこから自然の光を取り込んでいます。

スロープで上の階に上がると美術品の数々が展示されています。建物の造りから、天井が低くなっているフロアーもあれば、吹き抜けで高くなっているフロアーもあります。天井が低くてもフロアー自体に壁のしきりが少なく、それによって空間が広く感じるため圧迫感はありません。

また、天井のガラス部分から光が入ってくるのも印象的です。

 

館内の写真撮影はいいようなのですが、わたくしは美術館内部を写真に収めるのを好まないので写真が入口のものしかありません。

 

 

国立西洋美術館の前庭

実はコルビュジエの国立西洋美術館の他に、わたくしは前庭や館内にあるオーギュスト・ロダンの彫刻が好きなのです。前庭だけでも見る価値あります。

国立西洋美術館 オーギュスト・ロダン 地獄の門

まずはこの「地獄の門」。

ダンテの「神曲」からヒントを得たロダン。地獄に堕ちる人々を天井から見ている人という作品になっています。

地獄の門の中央の上には三人の裸像。その下に、有名な考える人。

そして門の左側に「アダム」。右には「エヴァ」の彫刻があります。

 

国立西洋美術館 オーギュスト・ロダン 地獄の門

地獄の門を下からなめた写真です。

 

国立西洋美術館 オーギュスト・ロダン 考える人

こちらはよく知られている「考える人」です。この部分だけ別の大きさでおかれています。

「考える人」は地獄に堕ちる人たちを見ているので、考えているだけではありません。この写真だけを見ているとわからないですが、「地獄の門」であったように、本来は天上から地獄に堕ちる人間を見ているのですね。「見て、考える人」ですかね。

 

国立西洋美術館 オーギュスト・ロダン カレーの市民

こちらは「カレーの市民」

フランスとイギリスで起きた百年戦争の英雄ユスターシュを囲む5人です。捕虜としてイギリスに向かう姿を表しています。苦悩に満ちてます。

 

国立西洋美術館 オーギュスト・ロダン 弓を引くヘラクレス

「弓を引くヘラクレス」

怪鳥ステュムファリデスに向かって今まさに弓を放とうとしているヘラクレスです。目の前で見ると躍動感があります。

 

 

大陸をまたいでの世界遺産登録

今回、コルビュジエ設計の国立西洋美術館が世界遺産登録されれば、7カ国という大陸をまたいでのこととなり、これは世界初となります。

世界遺産になれば、それだけで見学する人も増えますし、活気づくかもしれません。

「世界遺産だから」というだけではなく、収められている作品もすばらしいので、ぜひ観覧することをおすすめします。

スポンサーリンク