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『仕事は楽しいかね?』は目標設定の無意味さを教えてくれる

 働くとは

仕事は楽しいかね?

仕事は楽しいかね?

 

2001年に発刊されたものである。

そのタイトルからご存知のかたも多いかと思う。

 

これまで多くの自己啓発本を読んできたが、大部分は書かれている内容が似たり寄ったりである。

 

特によく書かれていることは、

「将来の明確なビジョンを持つこと。それを忘れてないように紙に書いておく」

などである。

 

自己啓発本を読んだことがある人なら、このようなことを一度は読んだことがあるのではないだろうか。

 

書かれていることを忠実に実行して成功した人はどれぐらいいるのだろう。

もちろん成功した人もいるだろうが、その多くは途中で挫折し、あきらめてしまったのではないだろうか。わざわざ失敗した人を雑誌などでは取り上げることはなく、成功した人の話しか見ることがないので、あたかも実行すればだれもが成功するかのように書かれている。

 

本書が他の自己啓発本と違い面白かったのは、「やりたいことは何でも試すこと」そして「将来どのようになりたいかなど考えずに、今日は昨日と違う自分になる」という考えである。

 

目標設定など役に立たない

ストーリー仕立てで話は進んでいく。

腰巻きにはこう書かれている。

 

『仕事は楽しいかね?』

大雪で閉鎖になった空港で、“私”は偶然出会った老人の問いかけに動揺してしまう。

日々の仕事にゆきづまりを感じ、未来に期待感をもてない私に、その老人は一晩だけの講義を開始した。

 

印象に残った言葉がいくつかある。

  • 明日は今日と違う自分になる。
  • 最初に陸にあがった魚は長期にわたる目標を持っていたと思うかね。
  • 目標に関するきみの問題は、世の中は、きみの目標が達成されるまで、じーっとまっていたりしないということなんだよ。

 

目標や夢を持たないほうがいいという考えがベースになっている。

その上でやっていくことは、毎日毎日よくなるために試行錯誤を繰り返していくこと。目標や夢を重要視するのではなく、昨日と違う自分になることが大切だとしている。

 

そこで最初に陸にあがった魚の話になる。

「もしかしたら、この魚はこう考えただろうか。

『ぼくが陸にあがれたら、いつの日か脚を使って歩く陸生の魚が生まれるかもしれないし、やがては、その陸生の魚が車に乗ってショッピングモールに出かけ、シナボンに入ってシナモンロールを食べたりコーヒーを飲んだりするようになるかもしれない』」

 

思わず笑ってしまいそうだ。

魚の気持ちはわからないが、少なくても陸に上がった魚は、今この瞬間をどうするべきかを先に考えたことだろう。

 

この、「今をどうするか」という考えが当てはまる事例として、コカコーラやリーバイスがどのように誕生したかも説明されている。

 

そして、目標や夢に固執するのではなく、もし方向性が変われば、目標や夢も変えなければならないと語る。

 

 

多くの自己啓発本は目標設定の重要性を唱えている。

将来展望がなければ成功しない。そのためにまずは年数を決めて目標を現実のものにしていく。そして大きな目標に向かっていくというものである。

 

目標設定が大切なことは言うまでもない。それを毎日意識することでモチベーションに繋がる人もいるだろう。

 

ただそれにこだわりすぎるるのもよくない。目標を実現できなかったときの落胆はけして小さいものではない。目の前の目標すら実現できなければ、その先に設定した目標や夢もまた実現することができなくなる。

 

さらに目標の実現を阻むものある。それは時間である。

 

あなたが将来にどのような目標設定していようが、あなたが目標を実現するために時間は止まらない。

 

例えばあなたが2年後に、どこそこに飲食店をオープンすると計画しているとする。

しかし1年後、別の人があなたの店の隣に同じような飲食店を先にオープンしてしまえば、おそらくあなたは計画を大きく変更しなければならないか、計画の中止を余儀なくされるだろう。

 

または、今流行していることを1年後に後追いで実行する計画でも、1年後はすでに流行が終わっているかもしれない。

 

都合よく時間は待ってくれない。今の時代ならばなおさら流行り廃りは早く、技術の進歩も止まらない。10年後の目標を掲げても、そのほとんどが現実する前になくなっているだろう。

 

さらに言えば、人生などそんなにうまくは進まない。

資金がつきたり、共同経営者に裏切られたり、病気になったり、考えればきりがない。

目標を持つことで人生に起きる「まさか!」を回避できるならだれもが成功しているはずだ。

 

2001年に発刊されたものだが、自己啓発本によくありがちな「高い志し」とは違う考え方を教えてくれるなかなかの良書であった。

仕事は楽しいかね?

仕事は楽しいかね?

 

 

 

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