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連休に読みたい良質な読書時間をもたらすおすすめ本10冊を厳選(ノンセクション)

読書時間

コーヒー

自らの経験を通して知識を増やそうとしても人には限界がある。

都合良く身体を分離することもできなければ、一日を48時間にすることもできない。

限られた時間の中で人が知識を増やすには、他者が経験した時間を、そのまま自分のものとして吸収すればいいのである。

知らなかった分野を自らの手で開拓して一から学ぶ必要はない。

すでにその分野を学んだ先人たちが書き残した書物を読めばいいのである。

 先人が時間とお金をかけて経験したことをわれわれはほんの少しの時間と資金である程度まで知ることができる。

 

読書とは身分に関係なくだれにでも与えられた教育の一つなのである。

知識の泉であり、その価値は計り知れない。

 

知ることのなかった知識のページをぜひ開いてみてほしい。

 

 

おすすめ本10選

 

徴候・記憶・外傷

徴候・記憶・外傷

 

体の傷はほどなく癒えるのに心の傷はなぜ長く癒えないのだろう。50年前の失恋の記憶が昨日のことのように疼く。

 

ポール・ヴァレリーはトラウマについてこんな言葉を残している。

だれもが経験あるのではないか。過去の出来事について思い悩むことが。

 心の傷は他人にわからない。体の傷は見えるのに心の傷は見えないがために軽視されてしまう。

 

人間が持つ「記憶」の意味とは。臨床の現場。さらには哲学や心理学。文学や犯罪学を通して、この大きな問題を解き明かしていく。

とくに「高学歴初犯の二例」では、犯罪者の心理が説得力を持って説明されている。これだけも読む価値がある。

 

精神分野の書籍だと思って読まないのはもったいない。内容は重いものだが、文章は読みやすくけっして難解ではない。

 

 

 

蒼ざめた馬を見よ

蒼ざめた馬を見よ (文春文庫)

 

物語は日本とソ連。

アレクサンドル・ミハイロフスキイが書いた未発表小説を密かに入手し、それを日本に持ち帰ることを命じられた新聞記者の鷹野。

未発表の小説はソ連の体制を崩壊させるほどの力を持っていた。

 

鷹野は現地で知り合ったオリガという女性の協力を得て、ミハイロフスキイから小説を入手。その小説を日本に持ち帰った。

 

小説は匿名で刊行された。そのタイトルは、

 

『蒼ざめた馬を見よ』

 

小説は瞬く間に全世界でベストセラーとなった。

 

しかし数カ月後、作者であるミハイロフスキイがソ連で逮捕されてしまう。

 

そして鷹野の前に一人の男が現れる。男が鷹野を連れて行った場所にはミハイロフスキイの姿が。

 

五木寛之34歳のときに直木賞を受賞した作品である。

圧倒的なストーリー展開が読む者を物語の中へ引きずり込んでいく。

「あっ!」と思わせる展開にたどり着いたとき、すでに物語の仕掛けは一歩先を行っている。

なにが偽りで、なにが真実なのか。あなたの目で確かめてほしい。

 

 

 

エリック・ホッファー自伝―構想された真実

エリック・ホッファー自伝―構想された真実

 

正規の教育こそが大切なのか。

自らが体験もせずに、ぬくぬくと温かい部屋で論ずることにどれほどの説得力があるのか。

 

エリック・ホッファー

 

高等教育を受け、エリートの道を歩んだ学者や教授がいる一方、ホッファーは彼らとは真逆の位置に座す在野の学者である。

 

正規の教育を受けずに日雇い労働で生計を立てる傍ら、図書館で書物を読みあさり、大学レベルの数学と物理学をマスター。

カリフォルニア州のバークレー校から研究員のポストを与えられたが、それを断り放浪生活を続けた。

40歳からは湾港労働者として荷受けの仕事をしながら執筆活動を行う。

60代になりバークレー校で政治学の教授になったが、65歳まで湾港労働をやめなかった。

失明、両親の死、放浪者、荷受け労働。最低層に生きながらも放浪者、社会不適合者(Misfit)に寄り添い、彼らを通してホッファー独自の哲学を作り上げていく。

生きることを考えさせられる一冊である。

 

 

 

自動車絶望工場

新装増補版 自動車絶望工場 (講談社文庫)

 

繁栄は、血と汗と、多くの犠牲の上に成り立っている。

「絶望」とはこういうことを言うのかと教えてくれる。

 

筆者自らが体験したルポである。

日本だけではなく、世界一の自動車メーカー「トヨタ」の自動車工場季節工で数カ月体験したルポとなっている。

 

工場に勤めるさまざまな工員の姿を描写。生産能力をあげるための生産過程の改善と人員削減。それに伴う負担を背負う工員たち。そして翌日には消えていく隣にいたはずの労働者。

 

時代背景を考えれば、

「そういう時代だった」

という言い訳が通るのかもしれないが、「トヨタ」の繁栄は、季節工の上に築かれた繁栄でもあるということを、われわれは覚えておいたほうがいい。

 

「歯車は、磨り減っても使えなくなっても、モノとしては残るでしょう。でも、私はなにも残ってないんです。だから、譬えるとすれば、会社の燃料ですよね。使い切ったら、あとはなにも残らないんです。」(ある季節工へのインタビュー。解説 重松清)

 

ちなみに筆者の工場での工番は「8818639」であった。

 

 

 

敗れざる者たち

敗れざる者たち (文春文庫)

 

勝者がいれば必ず敗者もいる。

平等だったスポットライトは一人の人間だけを照らし、傍らに崩れ落ちる人間を照らすことはない。

 

短編が6つ収められている。

ボクシング。野球。ランナー。サラブレッド。

勝者は歓声を浴びるのが宿命ならば、観衆から忘れられるのは敗者の宿命である。

勝負の世界は美しく、そして残酷である。勝者の下には多くの敗者が。今日の勝者は明日の敗者かもしれない。

 

勝者は敗者の末路を知っているからこそ、命をかけて勝者になることを欲する。

一度の人生を賭けて、そして燃え尽きた者たちにスポットライトが当たっている。

 

 

 

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日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

 

日本のなぜを詳細に語っている。

 

現在の沖縄基地問題。なぜ解決できないのか。なぜ日本国外に移転しないのか。なぜ政治家は日本から米軍を出そうとしないのか。

政権が変わっても何もできない。なぜか。それはすべて戦後に決まっていたからだ。

 

原発に目を向ければ安全でないことは分かっている。

それでもなぜ再稼働させるのか。すべては戦後に決まっていたからだ。

 

英米が中心となって作り上げる世界政府の姿。彼らが決めた大西洋憲章についての謎。さらにはポツダム宣言や昭和天皇と米軍。

すべてに裏付けとなるものを紹介し、けっして憶測や筆者の思いで語られているのではないことがわかる。

日本人として知らなければならないことがここには詰まっている。

 

 

 

ワクチンの罠

効果がないどころか超有害! ワクチンの罠

 

貧乏人と病人はだましやすい。

怪しげな宗教に熱心になってしまうのは救いを求めているからだ。

穴掘りの技術があるなら、穴掘り信仰は必要ない。

不確かなものに、人は信仰を求める。

 

“病気”という単語に人間は弱い。病気というものはその言葉だけで力を持っている。

病を治すために病院に行く。薬を飲む。この行動に疑念を持つことはない。

 

薬に同封されている説明書の注意事項、副作用に目を向けてみる。

 

頭痛、発熱、関節痛、発疹、嘔吐。

 

ここまでは目にしたことがある人も多いはず。

 

アナフィラキシー・ショック、ギラン・バレー症候群、けいれん、肝機能障害、ぜんそく発作、血管炎、脳炎、脳症、スティーブン・ジョンソン症候群。

 

最後に、おたふくかぜ、はしかワクチンの「医薬品添付文書」で製造工程を見てみる。

 

「ウィルスを鶏卵で培養し、精製、安定剤を加えて乾燥したもの。さらに製造工程でウシ(血清・乳)、ブタ(膵臓)を使用」

 

日常の生活ではあまり知ることがない情報である。

 

「知らないことは罪である。知ろうとしないことは、さらに深い罪である」

 

本書冒頭の言葉には重みがある。

 

 

 

 

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方舟さくら丸 (新潮文庫)

 

安部公房の長編作品は、

「ねっとりとして、人を迷路に誘い込む」

そのような印象がある。時間をかけて引き込むのだ。

 

物語の舞台は客船ほどの大きさの地下基地。

ここに住むイノシシと豚を合わせたような主人公と、いつか起こるである地球滅亡に備えて彼が人選した者たちが方舟で暮らす様子が書かれている。

方舟に同乗した人物たちの不毛なやりとり。彼らのやりとりにうんざりした主人公が最後には地下基地から地上に戻る。

物語はなにも起きないのだが、登場人物たちのやりとりに安部公房の言葉の魔力を読むことができる。

 

 

 

f:さらばモスクワ愚連隊

さらばモスクワ愚連隊 【五木寛之ノベリスク】

 

 五木寛之の処女作である。

第55回直木賞ノミネート作品であったが受賞を逃す。

同年第56回直木賞で『蒼ざめた馬を見よ』がノミネート。圧倒的な大差で受賞となる。

 

処女作である本作品で、すでに五木寛之のエンターテインメント性は十分に発揮されている。

 

時代は冷戦。ソ連でJAZZの興行を依頼された主人公が、不良少年でJAZZ好きなミーシャと出会い、交流を深めていく。

ミーシャの才能を知り、JAZZ演奏者になることをすすめる。一方モスクワでの興行は中止となる。

帰国が迫ったある夜。主人公は即席でメンバーを組み、ミーシャとともにJAZZ演奏をバーで披露。それは見ている者を魅了する一夜の演奏だった。

 

音楽が聞こえる。

 

文章から音が聞こえた。これは言い過ぎと思われるかもしれないが、本当に音楽が聞こえていたのだ。主人公のブルースピアノとミーシャのトランペットの音色が、ページをめくるたびに聞こえてきた。

 

物語が最高潮に達したとき、築き上げてきたものがもろくも崩れさる「滅びの美学」は五木寛之が得意とする作風である。

 

 

百年の孤独

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

 

ガルシア・マルケスの代表作。ラテンアメリカ文学の火付け役となった作家作品である。日常のものとそうでないものが合わさる「マジックリアリズム」。

 

ガルシア・マルケスは1982年にノーベル文学賞を受賞。

『百年の孤独』、初版は1967年。日本語版は1972年に刊行された。

 

蜃気楼の村マコンド。村の開拓者であるブエンディア一族の草創、隆盛、衰退、そして滅亡へと向かう100年間が語られている。

不思議な力を持つ者。豚のしっぽが生えた者。個性的なキャラクターと、幻想的な出来事、人間であることの葛藤が書かれている作品である。

 

wabisuke.hatenablog.jp

 

今週のお題「ゴールデンウィーク2016」

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