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アドバイザーも存在する。終の住処をかき回す生前整理とは。どうなんだ

親の心子知らず?

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先日テレビを観ていたら、『生前整理』をおこなう家庭が多くなっているという特集がありました。

 

生前整理とはその名の通り、年老いた高齢者が生きている間に自分自身の身の回りのものを選別して処理するということです。

 

生前整理普及協会という社団法人もあり、詳しい内容はホームページに書かれています。

seizenseiri.net

生前整理をしたほうがいいという理由には、

  • なくなってから遺族が行う遺品整理がとても大変で苦労する
  • 生前整理をすることが、よき終活になる

ということがあるようです。

 

たしかに親の年代になると、物を多く持っていると感じることがあります。

 

こんな皿いつ使うのか、とか。押し入れの奥にしまわれていて何年も使われていない小物入れとか。

 

こういった物を残し、亡くなって、それらの遺品整理をするのは子どもであるわたくしたちの役目です。

 

親が亡くなってからの遺品整理が大変だったとはネットでも多く書かれています。

 

幸いにして、わたくしはまだ遺品整理をおこなったことはないのですが、経験していなくてもその大変さは伝わってきます。

 

普段の生活で自分の物を処分するにも大変なのに、それが親の物となるとさらに大変だと思います。

 

ただね。

 

こういった生前整理って、なんか違うような気がするんです。

 

わたくしが観たそのテレビ特集では、娘さんが高齢の親の元に訪れてきます。親子で整理するのかと思いきや、生前整理担当の業者を連れてきていたのです。業者と言ってもはっきり言えばゴミ処理人です。このときの親子のやり取りを見ていると、娘さんは何でもかんでも捨ててというわけです。

 

「こんなもの使わないよ」

「これは捨てて」

「残しておいても遺品整理するわたしが大変なんだよ」

 

それに対して親は、

 

「これはいるの」

「使うかもしれないから」

「亡くなる前に捨てておけばいいんでしょ」

 

そういう会話が繰り返されるわけです。

 

よく見る親子が交わす言葉と口調。しかしその内容は、生と死が関わった会話なのです。亡くなっていく者に、亡くなってからのことも考えろ、と言っているのです。

 

わたくし、この親子の会話、とくに娘さんの話し振りを見て、

 

「さもしいな」

 

と、感じずにはいられませんでした。

 

この場面にあったのは、親子のやり取りではなく、事務的なやり取りです。

 

生前整理とは、押し付けられてやることなのでしょうか。高齢な親が自ら率先して身の回りを綺麗にしておこうと思うなら、少しずつでも整理すればいいんです。

 

できるだけ迷惑をかけたくない。

 

そういう気持ちで整理するのであれば、わたくしはいいと思います。そうではなくて、その親の子どもが、

 

「死んだら遺品整理が大変だから生きているうちにやって」

 

と押し付けるのは不気味でしょうがない。流行の断捨離とはわけがちがいます。それぞれの家庭の親の気持ちを分かろうとすることは難しいかもしれません。80歳ちかい親の世代は戦後の物がない時代を過ごしたため、

 

「物がある=豊か」

 

という思いがあることは考えられます。

 

しかしわたくしは、「物がある=豊か」さという理由だけで、親世代が物を捨てられないのではなく、「物」の一つひとつに物語があるのではないかと思うのです。

 

昔を懐かしむためにアルバムというものがあります。写真に写った子どもの顔。ページを開くごとに成長している我が子の姿。そしてその子の親も同じように年を重ね、刻まれるシワの数。そこには、家族の物語があります。

 

アルバムに物語があるように、親は「物」にも物語を重ねているのではないでしょうか。

 

このコップは誕生日にもらったもの。

このハンカチは子どもが好きだったもの。

子どもとのお出かけに使っていたナイロンのバッグ。

 

捨てることは簡単ですが、そういった物語も一緒に捨ててしまうことは簡単なことではありません。

 

物を捨てるように物語も捨てる。そして死ぬ前から身の回りの整理をさせて、親をも捨てているようにわたくしには見えてなりません。

 

世代間で考え方に違いはありますが、あまりにもさもしく思います。

 

石田徹也氏が描いた世界そのままです。

matome.naver.jp

この考え如何なものか。

 

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