10年後のあなたは起業しているのか。『これからのお金持ちの教科書』加谷珪一【著】を読んでみた
10年先が見えてくる
「2025年までにお金持ちになりたい人は必ずお読みください。」
衝撃的な言葉が書かれている。多くの人は「また同じような本が出たな」と思うだろうが、そんな簡単なことでは片付けられないことが本書を読んでもらうと分かるだろう。
筆者はこれまでもお金に関する書籍を書いてきた資産アドバイザーの加谷珪一氏である。わたくしはこれまでも筆者の書籍を読んでいますので過去記事も掲載しておきます。
本書は6章立てになっています。
- すでに始まっている「新しいし資本の時代」
- スマートフォンが本当に変えたもの
- 新しい時代における「稼げる人」を考える
- これからの「富のルール」
- 情報を制する者がお金を制する
- 新しい資本の時代を生き抜くために
「あなたはお金持ちになりたいですか?」
この問いかけにほとんどの人は、
「はい。お金持ちになりたいです」
と答えるはずです。
もし、お金持ちになりたくない人がいれば、それはすでに十分なお金を持っている人か、本当はお金持ちになりたいが、お金のない生活の苦しさにお金そのものを憎んでいる人ではないだろうか。
今の世の中は生きていくためにお金は必要です。ただの紙切れなのに、食料を買うのにも、電車に乗って移動するにも、いたるところでお金がなくてはなりません。
一人ひとりの心の内を覗くことができるのなら、だれもがお金持ちになりたいと思っているはずです。
しかし、これまでお金持ちになれる人といえば、大なり小なり起業するか、投資の神様といわれるウォーレン・バフェットのように投資家になるか、選択肢は限られていました。
起業するには売れる商品や便利なサービスを作り出すアイデアが必要なことにくわえて、まとまったお金も必要でした。少し前は最低でも1000万円。もっと規模が小さい起業でも100万円ぐらいないと厳しいものでした。
投資家として生活していくためにも、ある程度の元手となる資金が必要でした。配当などのインカムゲインで生計を立てるためには、うまく運用できるとしても2、3000万円、いや、それ以上必要です。
お金持ちのところにお金が集まるとはまさにこのことで、お金持ちになりたい人は、スタートからすでに一定額を持っているお金持ちなのです。
しかし、技術の進歩は急速に進んでいます。昔の10年は今の1年。いや、もしかしてもっと短期間になっているかもしれません。
新しい時代は、だれにでもチャンスが訪れる。
差を生むのは、その変化に気付くか気付かないかだけである――
筆者のこの言葉に間違いはないでしょう。さらに腰巻きにはこんなことが書かれています。
- 情報がお金に換わる
- もはや資本は必要ない
- シェアリングエコノミーがもらたらすもの
- 人工知能との共存
「こんな時代はまだ来ていない」
と思っている人は、すでに取り残されているか、情弱であることを証明しています。
例えば上の4つのうち、まだ発展途上なのは人工知能ぐらいでしょうか。しかしIBMの人工知能ワトソンは日々進化を続けています。iPhoneのSiriは不気味ですね。
一つを例にとってみます。
情報がお金に換わるとは、得意な分野の知識を、それを必要としてる別の人に教えるということです。まさにコンサルタントです。
コンサルタントというと情報や知識を豊富に持っていて、なんでも知っている人と思われますが、これからは違います。
ただの情報だけであればGoogle検索で十分です。わたくしたちがまったく知らないことでも、検索キーワードにその言葉を入力するだけで学者並の情報が無料で手に入ります。それも自宅で、スマホ片手に寝転がりながら。
では大事になってくるのはなにか。
それはその情報をどれだけ一般の人が分かりやすいように料理して提供できるかということです。
知識の羅列はだれにでもできます。
「知っていること=頭がいい」
では通用しません。これから求められるのは、知りたい情報をさまざまな角度から比較検討できて、求めている人のレベルに合わせて説明できるか。そういった人物が重宝されます。
例えば資産運用コンサルタントといっても、資産運用には不動産から株、FXにいたるまでさまざまな運用方法があります。
不動産投資と株式投資は別物です。株とFXにしても似ていますが、仕組みは違います。
さらにFXだけ見てもFXとはなんぞや、という知識しか持ち合わせていない人もいれば、通貨スワップ狙いで運用していきたいという人など、一口に資産運用といっても多種多様です。
このように考えたとき、すべての資産運用に関するエキスパートでいる必要はないのです。人より株が詳しい人は株のコンサルタントになることができますし、FXの知識が豊富な人は、それを知りたい人に講義すればいいのです。
自分で当たり前と思っている知識や情報でも、だれかにとっては当たり前でないことなのです。その隙間を見つけることができるか、その隙間を突けるか突けないかで、これからの時代を生き残れるかどうかが変わってきます。
もしかしてこれからの時代はコンサルタントになるのは簡単なことかもしれません。
集客や人集めが難しい。と言う人は、本当に危機意識を持った方がいいと思います。
一人一台スマートフォンを持つ時代になりました。
電車の中、待ち合わせまでの時間、何気なく使っているスマートフォンがわれわれの生活を一変させました。
あなたはこのような時代がくることを予想できたでしょうか。
だれもが、どのような場所でも、どのような時間帯でも繋がっている状態です。SNSを使用すれば、時間も場所も問わず、無料で宣伝、集客ができます。高額な広告費を使わずに、そしてポスティングなどという労力も必要なく日本中、いや世界中の人に宣伝できるのです。
しかし本当の意味でのスマートフォンの普及で起こる変化は、従来型の仕事のあり方です。
朝起きて、満員電車に乗って会社に行き、メールをチェックして、実のない会議を行い、他部所と企画開発の打ち合わせ。午後は得意先を回り挨拶。新規開拓……。
結論から言えば、これらはすべてパソコンとスマートフォンがあれば、会社にいなくても可能となります。そしてすべての仕事はアウトソーシングになりえます。
近い未来。すべてのビジネスパーソンが「起業家」になっているかもしれません。
会社には進行役のスタッフ一人という風景が見えてきます。
あなたは10年先を見たいですか?
でしたら本書を読めばだれよりも先に近い未来がわかります。