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『鹿の王(上・下)』上橋菜穂子【著】を読んでみた。

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 2015年本屋大賞第1位。現段階で累計100万部突破の話題作です。

 これまでわたくしは巷で話題になっている作品を選んで読むことはほとんどありませんでした。芥川賞直木賞を受賞した直後に発売された作品で読んだことがあるのはほんの数冊。本屋大賞においては皆無でした。

 ただ、本屋大賞はメディアでも多く取り上げられるたびに耳に入ってくるので、以前から気になっていた作品もあったのですが、それでも購入することはありませんでした。

 今回はなぜか読んでみようという気持ちになり購入にいたりました。上下巻でそうとうぶ厚いものになっています。作者の上橋菜穂子氏をわたくしはこれまで存じ上げませんでした。

 物語は捕虜となったある種族の頭「ヴァン」と、高名な医学者「ホッサル」の二人を中心に、二人の主人公の時間が交互に重なり進んでいきます。

 鉱山で労働を強いられていた捕虜たちを襲った山犬たち。襲われた捕虜たちの奇怪な死に方からある一つの感染症の存在が浮かび上がります。その感染症は動物によるものなのか。あるいはネズミやダニによるものなのか。その感染症の拡大の原因を追及、それに対抗できる新薬の開発。そこに絡み合う国と国、さらには人種と人種の争い。体内に侵入した病原体が人間の体にもたらす変化と同じように、大国に占領された小国やそこに暮らすさまざまな人たちの混じり合うことのない民族感を物語に重ねることで浮かび上がる個々人の憎悪や感情の変化が表現されています。

 わたくしが読んだ印象としては上記のように病原体を通して国と国、人と人の関わり合いも表したかったのかなと読みました。これは現在の世界とも繋がることだと思います。

 そうでなければ人間と病気の関わり合い。例えるならばガンが発見されたときに、それらを徹底的に排除するのか、それとも共存を選ぶのか。そういったことをベースにして物語を書き上げたのか。そういったことが書かれていると知っていたのでわたくしは本書に興味を持ったのかもしれません。

 しかしですね。読み終えた感想としまして一言でいうのなら「軽い」という印象でした。わたくしはなぜここまで話題になっているのかよくわかりません。

 わたくしは病理のことは知りませんし、動物学のこと、さらに言ってしまえばどこにでもいるただの本好きの男ですので、物語の構成云々などと生意気なことも語れません。

が、が、ですが、

 どうも物語の内容が「軽い」印象を受けて、グッ、と入り込むことができませんでした。もちろん読んでいて「おっ! なるほど。それからどうなる?」と盛り上がってくることもあったのですが、頂きに達する前にへなへなと終わったり、そこはもっと深く書き進めてよ、と思ったりと、どうも不完全燃焼で話が進んでいくので、物語に入り込むことができなかった印象が強いです。時代? 設定もいまいちで、あえて中世的にする必要があったのかも疑問です。作者が得意な時代背景なのかもしれませんが、剣とか弓とか、そういう時代ではなくて現代でもよかったのではと思いました。中世的にするならば、もう少し作り込んで読む者をその時代に引きずり込んでほしかったです。こういった作品をライトノベルというのでしょうか(わたくしは読んだことがないのではっきりとは言えませんが)。

 今回は話題に乗ってしまいましたが、たぶんわたくしは今後、巷での話題作を買うことはないでしょう。もし買うとすれば、古本市場に出回ったときです。

 

では今日はこのへんで。

 

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