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『人と企業はどこで間違えるのか? 成功と失敗の本質を探る「10の物語」』ジョン・ブルックス【著】を読んでみた

 

 本書は初版が出てからすでに40年以上が経っている。日本語版として2014年12月に出版された。

 腰巻きには「ウォーレン・バフェットからビル・ゲイツに渡され、20年間読み続けられた最高のビジネス書」とある。わたしも尊敬する投資家ウォーレン・バフェットであります。

 著者ジョン・ブルックスは1920年生まれ、1993年没。本書に書かれている内容は1960年代から1970年代までの期間に取材した内容をまとめたものとなっている。フォード、ゼロックス、GE、さらには米証券取引所や、裁判でのやり取りなど、取り上げた10の物語の詳細な取材と当事者への聴き取りを元に書かれている。

 10の物語はその時代の一部分を切り取るように始まる。時代背景、前後の解説、詳細な企業の説明は手短に、知識を持ち合わせない読書には不親切とも思われるかもしれないが、そのような知識がなくても本書は小説のように読み進めることができる。登場人物はどれも魅力的に描かれており、彼らの息づかいからはその場所におかれた緊張感をも感じ取ることができる。ダウや個別企業の株価にも触れられるが難しいものではない。むしろそのような数値は物語に緊張感を与え読者をさらに引き込む要素にもなっている。

 企業全体がある方向へ向かうときは、そこに人の存在がある。それはすべてが間違った方向だけではなく、成功と思われることも含まれる。

 彼らの些細な判断の積み重ねが雪崩をつくりだす。それを止められない場合もある。また、判断の過ちに気づき直前に食い止められる場合もある。原因を究明するが明確な答えはない。どこかに原因の種は隠されているのだろうが判明しない。白黒つけず、グレーのまま終わることもあるが、それが現実に起きたことでありそれが結末である。

 人は感情を持つ生き物である。企業もまた人に支えられた生き物である。本書の物語となっている時代とわれわれが生きる今の時代は大きく異なっている。技術改革が進むたびに豊かさと便利さを手に入れた。新たな技術を手に入れたことで間違いを犯すリスクは減ったのかもしれない。しかし40年前の世界と現在、そしてこれからの世界にも人がいて、彼らの行う判断がある限り、思わぬ過ちは繰り返されるのかもしれない。

 愚かであり、また懸命に生きているからこそ滑稽にもみえてしまう、その時代を生きた人たちの物語が詰まっている。

人と企業はどこで間違えるのか?---成功と失敗の本質を探る「10の物語」

人と企業はどこで間違えるのか?---成功と失敗の本質を探る「10の物語」

 

 

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